ツールド沖縄 210km 完走
前日2100就寝。
だけど、緊張感からか1時間ごとに目が覚めた。
0345起床。
まずは軽く外を散歩する。
身体を動かすと軽量化が上手くいくから。
部屋に戻って朝ごはん。
バナナ2、カステラ3、野菜ジュース、沖縄特大ジューシー2
1000kcal摂取
少しお腹に入れるだけ。
米を食べると腹持ちが良い。
2回の軽量化を済ませて、いざスタート地点へ車で0500出発。
0522にいつもの場所に到着して、コンチネンタルゲータースキン チューブラーに8.2気圧まで空気入れして、ジャージに補給食を詰め込み、さらにもう一度軽量化して、集合場所へ。
30人くらい並んでいたかな。
前にいるとムラタさん、ホッタさん、ミヤモトさん、ツルオカくんが一緒になる。
ホッタさんと無事を祈念して握手をして0747レーススタート。
さあ、いくぞー。
旗が振られリアルスタート。
序盤は特に動きはなく、前方30人くらいの位置を維持する。近くには高岡さんや森本さんがいる。
いつも肩に力が入りすぎるので、リラックスとつぶやく。
ヒヤリとする場面は特になく、西海岸に出る。集団はリラックスした雰囲気で北上していく。
しかし、ここでアクシデント発生。
集団が大きく右に動いたときに、前走者のリアディレイラーが、自分のフロントホイールに入り、自走ができなくなる。
あー、まさかここで終わりか、と思ったら、森本さんが倒れている。優勝候補やん!とすぐさま駆け寄り大丈夫ですか!?と。
自転車はチェーン落ちだけだったようで、すぐに走り出していった。よかった。でも、フレームが折れてたんですね。
さて、自分、どうするよ。
ここでツイていた。
機材車がすぐ近くにいた。
フロントホイールを交換して、すぐに走り出す。前方には集団が見えるけど、、、追いつけるか。差は1分くらいか。とにかくもう出し切るつもりで踏みこんでいく。この脚はフンガワ登りで使いたかった。
集団は遥か彼方だった。ここまでか、、、今年の沖縄は、、、と思っていたら、後ろから集団が!
どうやら、美ら海水族館の下りで大落車があったらしい。この集団にはホッタさんがいた。後ろ向きなことを言ってましたので、失礼ながら生意気にも言い返してしまいました。すみません。
さあ、どうするか。
いや、考える必要はない。行けるとこまで行こう。順位は関係ない。
しばらくしてフンガワ登り1回目が始まる。ホッタさんがペースを上げていく。しばらくしたら1人旅になる。いつもなら周りにたくさんの選手がいるのに、今年の登りは静かだ。
水ボトル2つもらって、辺戸岬へ向かう。下りは最短距離を狙って、踏みこんでいく。このあたりから腰に痛みがでてくる。
同じ210kmの選手に関門時間を聞いて、ちらほら落ちてくる選手とグルペットになろうとするけど、1人のほうが速かった。
小集団を捕まえながら、西海岸を南下して、フンガワ登り2回目。正直なところ、ここで足切りにして欲しかった。でも、前にホッタさんがいると思うとあきらめられない。
登りはマイペース。腰が痛いのでダンシングを多用する。心拍は、、、テンションが下がると心拍も上がらないのね。
2回目を登りきって、グルペットが見えるけど追い越していく。後ろについてもらってもかまわない。
高江の登り。
ハアハアしながら、地味に回していくのみ。時折ダンシングを入れて、ペースを落とさないように。36×27をフル活用して、cadを高めに。
東海岸のアップダウンで、いいペースで走るシルベストサイクルの選手がいたので一緒に走る。最終的にはこの人のおかげで完走できた。
登りのペースをちょうどよくつくってくれるので、下りと平地はきちんと前に出る。
源河を越えた登りで、脚がつりそうになるけど、、、大丈夫。やっぱりマグオンのおかげかもしれない。
慶佐次の登り。
水ボトル2つもらう。シルベストな人が離れていく。
仕方ない、、、ここから1人で行くのみだ。
後半のアップダウンに苦しみながらも、ペダリングしているということは、少しずつゴールに向かっているということだ。
しばらくしたら登りでホッタさんが自転車から降りていた。後で聞いたら、あの時はどうやら脚が攣っていたみたいだ。
その少し先に、ムラタさんがいた。追い越し、ムラタさんは後ろにつかなかった。まだまだ1人旅。
そのままカヌチャリゾートの登りへ。補給食、、、気持ち悪い、、、けど食べなきゃ走れなくなる。ジェルを味わうことなく飲みこむ。
、、、やっと大浦まで来た。
ラストの登り、羽地ダムへ。
トンネル前にいた人が、川上関門1400だよーと教えてくれる。
時刻は1350、あと10分か。間に合うか。
その時、2年前に川上関門で足切りになった記憶が蘇って、あの時の悔しさや空虚感を思い出した。もうあんな気持ちは嫌だ。川上関門がゴールだと思い、踏みこんでいく。なんだ、、、まだチカラがあるやん。
壁のような坂を越えて、ダンシングでペースを上げていく。7分、5分、3分と時刻が迫る。
下りも踏みまくってスピードを上げていく。間に合うか。
時計は1358
気持ちは焦る。
関門よ、早く見えてこいー。
とにかく今この時間でできる最大努力を継続するだけ。
1359
もう気が気ではなかった。
ラストはグッとペースを上げて、、
通過!!
思わず、よっしゃー!!とガッツポーズした。それほどまでに嬉しかった。落車のトラブルに巻き込まれて、その後に4時間30分走れるとは思わなかった。
ゴールラインが見えてきた。
無意識に涙が出てきた。
ゴールラインを越えたら顔が泣きっ面になって、あふれた。
周りから見られてもいい。
こんなに泣きっ面になったのはいつ以来だろう。
大人になってからは、なかなかできない経験です。
結果はドベ2位でした。
完走証を受け取る。チームは違えど、完走した喜びは同じ。デストラの選手とお互いの健闘を称え合い、固く握手をする。
あー、終わったんだなーと。荷物を受け取り、5分くらいボケーとして、嫁、両親、ジョニーさんに電話する。みんなが応援してくれていたことを改めて感じ、同時に感謝の気持ちでいっぱいになった。
車に戻り、折れたスポークを見る。ホイールがロックしなくてよかったな。それもツイていたんだろう。
ふと腕を見たら、塩ができていた。顔もえらいことになっている。ジャージは補給食でベトベトしている。毎年恒例の状態。
これからふれあいパーティーの時間だけど、早々に会場を後にする。少しさみしい感じがするけど、あとで仲間と打ち上げがあるんだろうと思うと、なんだか落ち着けた。
帰りにスーパーで買い物。
お刺身パック、豆腐、テビチ、ビールを買って部屋飲み用とする。
シャワーを浴びて、ベッドに倒れこみ、今日の出来事を日記に記す。記憶が鮮明なうちに、詳細まで記録しておかないと忘れてしまうから。
落車に巻き込まれながらも、怪我なく完走できただけで十分合格点だ。
そんなことを考えながら目を閉じていた。
さあ、打ち上げだ!肉喰らい、酒飲むぞー!!